コラム

トップページ > そもそも事業承継とは?譲渡を検討している方へ

そもそも事業承継とは?譲渡を検討している方へ

動物病院の事業承継とは、現在の経営者が後継者に病院の経営を引き継ぐことを指します。
動物病院は、診療技術だけでなく、スタッフの信頼関係や飼い主様とのつながり、地域での評判など、目に見えない資産が多く関係するため、単なる「経営権の移行」以上の意味を持ちます。

本記事では、動物病院の事業承継の基本的な考え方や、主な承継方法について解説します。

1. なぜ事業承継が重要なのか?

動物病院の経営者が高齢化する中、「後継者がいない」「引き継ぎがうまくいかない」といった理由で廃業を選ぶケースが増えています。
しかし、突然の閉院は飼い主様やスタッフに大きな影響を与えます。
適切な事業承継を行うことで、次のようなメリットがあります。

  • 飼い主様が安心して通い続けられる(治療の継続性が確保される)
  • スタッフの雇用が維持される(急な閉院による退職を防げる)
  • 病院の価値を適切に次世代へ引き継げる(設備やノウハウが活かされる)

2. 事業承継の主な方法

事業承継の方法は、大きく分けて以下の3つです。

① 親族内承継

自分の子どもや親族に病院を引き継ぐ方法です。
家族経営を継続できるため、病院の方針を維持しやすいメリットがあります。
しかし、後継者が獣医師免許を持っているか、経営を引き継ぐ意志があるかが重要になります。

② 院内承継(従業員・勤務医への引き継ぎ)

長年勤めている獣医師やスタッフに病院を引き継ぐ方法です。
既に病院の診療スタイルや飼い主様に慣れているため、スムーズに承継しやすいです。
ただし、資金調達や経営ノウハウの教育が必要になります。

③ M&A(第三者承継)

親族やスタッフに適任者がいない場合、外部の獣医師や法人に病院を売却する方法です。
後継者探しの幅が広がり、より良い条件で承継できる可能性があります。
しかし、買い手とのマッチングや契約条件の調整が重要になります。

3. 事業承継の準備はいつから始めるべき?

事業承継は、短期間で完了できるものではありません。
一般的に5年〜10年の準備期間が必要と言われています。

準備が遅れると…

  • 後継者が見つからず、病院を閉院せざるを得なくなる
  • スタッフや飼い主様が不安を抱き、病院の信用が低下する
  • 設備や財務状況の整理ができず、スムーズな引き継ぎが困難になる

できるだけ早めに準備を始めることが、病院の将来を守る鍵になります。

4. 事業承継の第一歩は「現状把握」

スムーズな承継のためには、まず病院の現状を把握することが大切です。以下のような点を整理しておきましょう。

✅ 財務状況の確認(借入金や資産の整理)

✅ 病院の経営状況の分析(売上・利益・集患状況)

✅ 後継者候補のリストアップ(家族・スタッフ・第三者)

✅ 承継後の経営方針の検討(診療方針の継続・変更)

これらを明確にすることで、どの方法が最適なのかが見えてきます。

まとめ

動物病院の事業承継は、病院の未来を決める重要なプロセスです。適切な準備を行うことで、病院の価値を守り、飼い主様やスタッフに安心を提供できます。

まずは現状把握から始め、どの方法が最適かを検討しましょう!



LEAP Advisory Services(LEAPAS)

Contact

お問い合わせ

どんなお悩みにも真摯にサポートさせて頂きます。
ご質問やお悩みなどお気軽にお問い合わせください。