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事業承継で失敗しやすいポイントとは?

動物病院の事業承継は、単なる経営の引き継ぎではなく、病院の理念、診療方針、スタッフ、飼い主様との関係を維持する重要なプロセスです。
しかし、承継を適切に進めなければ、病院の経営が悪化し、最悪の場合は閉院に至るケースもあります。

本記事では、譲渡側(現院長)が事業承継で失敗しやすいポイントを解説し、円滑な承継を実現するための注意点を紹介します。


1. 承継準備が遅れる

✅ 失敗の原因

「まだ大丈夫」と思い、準備を先延ばしにする
後継者が決まらないまま、突然引退を迎える
承継のタイミングが決まらず、長引いてしまう

⚠ 失敗のリスク

✔ 後継者探しが間に合わず、病院の存続が難しくなる
✔ 十分な引き継ぎ期間が取れず、経営が混乱する
✔ スタッフや飼い主様に突然の変化を強いることになる

➡ どうすればいい?

具体的な承継計画(スケジュール・引き継ぎ内容)を策定する


2. 後継者の育成が不十分

✅ 失敗の原因

経営ノウハウの引き継ぎができていない
後継者に診療技術やマネジメントスキルが不足している
突然の交代で、後継者がプレッシャーを感じる

⚠ 失敗のリスク

✔ 後継者が自信を持てず、経営に支障をきたす
✔ スタッフや飼い主様の信頼を失う
✔ 経営の引き継ぎがスムーズにいかず、病院の売上が低下する

➡ どうすればいい?

段階的な引き継ぎ期間を設け、実務経験を積ませる
財務管理・経営スキルを学ぶ機会を提供する
後継者が主体的に経営できる環境を整える


3. スタッフとのコミュニケーション不足

✅ 失敗の原因

新院長への不安があるが、相談する場がない
承継後の働き方がどう変わるのか分からない

⚠ 失敗のリスク

✔ チームワークが崩れ、病院の運営が不安定になる
✔ スタッフが新院長に対して抵抗を感じる

➡ どうすればいい?

承継後のビジョンを明確に伝え、意見を聞く機会を作る
新院長とスタッフの関係を築くための時間を確保する


4. 飼い主様への周知が不十分

✅ 失敗の原因

事業承継について飼い主様に十分な説明がされていない
院長交代後、診療スタイルが急激に変わってしまう
新院長のことを飼い主様が知らないまま、承継が進む

⚠ 失敗のリスク

✔ 飼い主様が不安を感じ、来院数が減少する
✔ 「院長が変わってから対応が悪くなった」と誤解される
✔ 新院長が信頼を得るまでに時間がかかる

➡ どうすればいい?

院長交代のタイミングを適切なタイミングで告知し、安心感を与える


5. 財務状況を整理せずに承継する

✅ 失敗の原因

病院の財務状況を後継者に正確に伝えていない
負債や未払いの経費を整理しないまま引き継ぐ
事業の収益性が把握されていない

⚠ 失敗のリスク

✔ 後継者が予想以上の負債を背負うことになる
✔ 財務の透明性がないと、病院の評価が下がる
✔ 承継後の運営資金が足りず、経営が困難になる

➡ どうすればいい?

事業承継前に病院の財務状況を整理し、明確にする
後継者に経営の実態を詳しく説明する
必要に応じて、専門家(税理士・会計士)のサポートを受ける


6. 譲渡契約の内容を十分に確認しない

✅ 失敗の原因

契約内容が不透明で、トラブルの元になる
事業譲渡の条件について、双方の認識がズレている
契約書の細かい部分を確認しないまま合意する

⚠ 失敗のリスク

✔ 承継後に、病院の資産や負債についてトラブルが発生する
✔ 契約条件が曖昧で、後継者と前院長の間で意見が対立する
✔ 法的な問題が発生し、承継がスムーズに進まない

➡ どうすればいい?

契約前に、譲渡内容・条件・資産・負債を詳細に確認する
不明点があれば、専門家(弁護士・M&Aアドバイザー)に相談する
後継者との合意形成をしっかり行い、契約に反映させる


7. まとめ

事業承継で失敗しやすいポイントを避け、スムーズに進めるためには、以下の点に注意しましょう。

承継準備を早めに始める
後継者をしっかり育成し、経営スキルを引き継ぐ
スタッフとのコミュニケーションを密にし、不安を解消する
飼い主様に適切なタイミングで承継を周知し、信頼関係を維持する
財務状況を整理し、透明性を確保する
契約内容を十分に確認し、トラブルを防ぐ

事業承継は、適切な準備と計画が成功のカギです。
失敗を避け、円滑な承継を実現しましょう!


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