コラム

事業承継後に院内の雰囲気を改善する方法~“新しい風”を心地よく吹き込むために~
動物病院の事業承継後、「雰囲気が変わった」とスタッフや飼い主様から言われることがあります。
その変化がポジティブに受け取られるかどうかは、新たな院長(譲受側)がどのように院内の空気を整えていくかにかかっています。
本記事では、事業承継後の“院内の雰囲気改善”に役立つ具体的なステップと工夫を紹介します。
1. まずは“空気を壊さない”ことから始める
事業承継直後は、院長交代に対してスタッフが少なからず緊張や警戒心を抱いています。
ここで、「改革」を急ぎすぎると逆効果。まずは現状を尊重し、“空気を読む”ことが大切です。
✅ 初期に大切なこと
- 旧体制を否定しない(前任者のやり方を引き継ぐ姿勢を見せる)
- スタッフの働き方や慣習を急に変えない
- 「まずは皆さんを知ることから始めたい」という姿勢を明確にする
➡ 改善は“上書き”ではなく、“対話を重ねた共創”であることを意識しましょう。
2. スタッフ一人ひとりと信頼関係を築く
雰囲気改善の最短ルートは、“信頼関係の再構築”です。
特に長年勤務しているスタッフには、新体制への不安や迷いもあるため、直接話す時間を意識的につくることが重要です。
✅ 実践例
- 個別面談(月1回など定期的に)
- 「どうしてこの病院に残ってくれているのか?」など、ポジティブな問いを中心に
- 日常業務でも積極的に声をかける・感謝を伝える
➡ “話を聞いてくれる院長”という印象が、自然と職場の空気をやわらかくします。
3. 院内のコミュニケーションを見直す
前院長のもとでの人間関係やチーム文化が残っている中で、新体制へのスムーズな移行を図るためには、情報共有のルールを見直すことも効果的です。
✅ 改善のポイント
- 朝礼や業務ミーティングの導入・見直し(時間や頻度は現場の声を聞きながら)
- 意見を出しやすい環境の整備(匿名意見BOX、月1アンケートなど)
- 連絡ツールの整理(LINE、ノート、掲示物などの運用を明確化)
➡ “風通しの良さ”が感じられる病院にすることで、雰囲気は自然と明るくなります。
4. 院内空間の小さな変化を取り入れる
雰囲気は“人間関係”だけでなく、“空間の演出”にも影響されます。
リニューアルではなくても、ちょっとした工夫で印象を変えることは可能です。
✅ 取り入れやすい工夫
- 季節の飾り付けや掲示物の更新(スタッフ・飼い主様が楽しめるものを)
- スタッフの紹介ボードを作成(新体制を視覚的に伝える)
- 休憩室や更衣室の快適性を見直す(スタッフの満足度向上にもつながる)
➡ 「気づいてくれて嬉しい」と感じられる変化は、働く人の心をやわらげます。
5. 新しい文化を“共につくる”意識を持つ
事業承継は“継ぐ”だけでなく、“新しくつくる”ことでもあります。
その過程をスタッフと共有しながら進めることが、雰囲気改善を根本から実現するカギです。
✅ 例)
- 「今のままで良いところ・改善したいところを一緒に話し合う場」を設ける
- ビジョン共有ミーティングを行い、「この病院をどんな場所にしていきたいか」を皆で語る
- 新しい取り組みにスタッフの意見を積極的に取り入れる
➡ “上からの変化”ではなく、“一緒に育てる病院”という空気が定着します。
6. まとめ
事業承継後の院内の雰囲気改善は、“変える”のではなく、“寄り添いながら進化させる”ことが大切です。
✅ 最初は空気を壊さないことを最優先に
✅ 一人ひとりとの信頼関係づくりが雰囲気を整える土台
✅ コミュニケーションや院内環境を少しずつ見直す
✅ 新しい文化をスタッフと共につくっていく姿勢を大切に
「この先生なら一緒にやっていけそう」と思ってもらえたとき、病院は本当の意味で新しい一歩を踏み出せます。
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