コラム

事業承継後の広告・マーケティング戦略
~「院長が変わる」ことをチャンスに変える考え方~
動物病院の事業承継が完了したあと、多くの後継者が抱えるのが「どうやって今後の病院を知ってもらい、患者数を維持・拡大していくか?」という課題です。
特に、「院長が変わる」ことに対する飼い主様の不安や離反を防ぎつつ、むしろ“新体制”を前向きに印象づけられるかどうかが重要になります。
この記事では、承継後の広告・マーケティングを成功させるための基本方針と具体的な戦略を紹介します。
1. 承継後にまず伝えるべき“安心”と“変化”のバランス
事業承継後のマーケティングでは、いきなり集患を狙うよりもまず、「これまでの信頼が続いていく」という安心感を飼い主様に与えることが大前提です。
✅ 初期のマーケティングで伝えるべきこと
- 病院の理念や診療方針は継続されること
- スタッフ体制は大きく変わらないこと
- 院長交代に対するご挨拶と今後の意気込み
- 新たな取り組み(予約システムの改善、予防医療の強化など)
➡ 「変わる不安」ではなく「変わってよくなる期待」を感じてもらうメッセージが鍵になります。
2. 地域に向けた広報活動を強化する
承継後に新体制を地域に知ってもらうには、地域との接点を積極的に作る広報活動が効果的です。
✅ 地域向けの広報アイデア
- 院内掲示やポスターでの新院長紹介
- チラシや地域フリーペーパーへの掲載
- 地域イベントやボランティア活動への参加
- 近隣のトリミングサロンやペットショップへのあいさつ回り
➡ 「◯◯動物病院さん、新しい先生になったけど感じがいいね」と思ってもらうことが、口コミにもつながります。
3. デジタルツールを活用した情報発信
現代の飼い主様は、GoogleやSNSで病院の評判を調べてから来院するケースが増えています。
承継後は、院長交代や病院の魅力を発信できるデジタルツールの活用が効果的です。
✅ 使いたいデジタル媒体
- Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)
- 写真や診療時間の更新、口コミ返信など
- InstagramやLINEなどのSNS
- 院内の雰囲気、スタッフ紹介、診療のお知らせなど
- 病院ホームページ
- 院長メッセージ、診療方針、よくある質問などを掲載
➡ 継続的に発信することで、既存・新規ともに安心感を高められます。
4. 院内マーケティングの強化でリピートを促す
広告=外部への発信だけではありません。院内での取り組みも立派なマーケティングです。
✅ 院内でできる取り組み
- 初診の飼い主様への手書きお礼カード
- 再来院時に健康診断・予防プランのご提案
- 診療中のコミュニケーションの質向上
- 季節のキャンペーン(フィラリア・ワクチンなど)
➡ 小さな積み重ねが、「この病院にまた来たい」という気持ちを育てます。
5. マーケティング戦略の立て方:3つの視点
事業承継後の広告・マーケティングは、単発ではなく、中長期的な視点で戦略を立てることが重要です。
✅ 視点①:既存患者の維持
- 院長交代後も安心して通ってもらう
- スタッフや診療方針の継続性を伝える
✅ 視点②:地域内での認知拡大
- 地域活動・口コミ・紹介で信頼を広げる
- 新サービス・改善点を積極的に発信する
✅ 視点③:新規患者の獲得
- ホームページ・SNS・Googleの情報強化
- オンライン予約・LINE対応など利便性アップ
➡ これらをバランスよく実施することで、承継後の“集患力”を安定的に高めることができます。
6. まとめ
事業承継後の広告・マーケティング戦略は、単なる「集患策」ではなく、飼い主様との信頼を再構築するための大切な手段です。
✅ 院長交代をポジティブに伝え、不安を解消する
✅ 地域との接点を持ち、顔を知ってもらう
✅ デジタルツールで魅力を継続的に発信する
✅ 院内でも“選ばれる理由”をつくる
✅ 中長期的な視点で、段階的に戦略を実行する
「引き継ぐだけ」で終わらせず、「広く知ってもらう・選ばれ続ける」戦略を構築していきましょう。
LEAP Advisory Services(LEAPAS)
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