コラム

承継した病院のブランディングを強化するには?
~“新しい院長”が信頼を育てるブランド構築のステップ~
動物病院の事業承継を経て新院長としてスタートを切ったとき、最も重要なテーマのひとつが「ブランディングの再構築」です。
前院長が築き上げた信頼やイメージを大切にしながら、自分自身の色も少しずつ加えていくことが、継続的に選ばれる病院になるためのカギです。
この記事では、承継後の病院でブランド力を強化していくための具体的なアプローチを紹介します。
1. まずは“現在のブランド”を正しく把握する
ブランディング強化の第一歩は、現時点での病院のブランドイメージを客観的に把握することです。
✅ チェックしたいポイント
- 飼い主様が病院に対してどんな印象を持っているか?(例:安心・丁寧・話しやすい など)
- 病院の強みと弱みは何か?(例:予防医療に強い/IT化が遅れている)
- 院内の雰囲気やスタッフの対応はどうか?
- 地域での口コミや認知度はどうか?
➡ ブランディングは“思い込み”ではなく、“現実の評価”から始まります。
2. 院長自身の顔と考え方を“見せる”
承継後は、「新しい先生はどんな人?」という視点で飼い主様に見られる時期です。
このタイミングで“院長としての姿勢”を発信することが、ブランド構築に直結します。
✅ 自分をブランディングするポイント
- 自己紹介や診療に対する考え方をホームページやSNSに掲載
- 初診や再診での丁寧な会話を意識し、“接する時間”をブランドの一部に
- スタッフとのやりとり・院内の雰囲気をあえて可視化(Instagram投稿など)
➡ “人柄=病院のイメージ”になるからこそ、誠実で丁寧な発信が効果的です。
3. 「選ばれる理由」を明文化しておく
承継した病院にどんな強みがあるのかを言語化し、明確に打ち出すことで、他院との差別化につながります。
✅ 明文化したい項目の例
- 「〇〇に強い動物病院です」(皮膚科、歯科、リハビリなど)
- 「飼い主様との対話を大切にしています」
- 「地域に根ざしたあたたかい診療を心がけています」
➡ これらはホームページや名刺、院内掲示物、SNSのプロフィールなどに使いましょう。
4. ビジュアル面を整える(デザイン・統一感)
ブランド力は、見た目の印象でも大きく左右されます。
院内のポスター、診察券、ユニフォーム、SNS、ホームページなど、“トーン&マナー(統一感)”を意識するだけでも印象がアップします。
✅ 取り組みやすいビジュアル改善
- 院内掲示物のデザインを刷新
- ホームページの写真・配色を統一
- ロゴやカラーを用いて病院のイメージを統一
- SNSの投稿デザインに一貫性を持たせる
➡ デザインの一貫性は、信頼・安心感を自然に生み出す力があります。
5. スタッフもブランドの一部という意識づけ
病院ブランドは院長一人で作るものではありません。スタッフの接遇や言葉づかい、身だしなみも、すべてがブランドの一部です。
✅ チーム全体で取り組むために
- ブランドビジョンをスタッフに共有(例:「安心感を与える病院」)
- 接遇トレーニングや朝礼での意識づけ
- スタッフ紹介や日常の様子もSNSで発信
➡ “スタッフと一緒にブランドをつくっていく”ことが定着の近道です。
6. 地域とのつながりを大切にする
地域密着型の動物病院では、「このエリアで信頼されているか」が最大のブランディング要素です。
単なる集患ではなく、地域との“信頼関係の構築”を意識しましょう。
✅ 地域ブランディングのアイデア
- 地元イベントへの協賛や参加
- ペット防災やマナー講座の開催
- 飼い主様からの声をHPや院内掲示に掲載(レビューなど)
➡ 地域の飼い主様に「ここは“うちの街の動物病院”」と思ってもらえるのが理想です。
7. まとめ
事業承継後に病院のブランドを強化するには、“これまでの信頼”を大切にしながら、“自分自身の方向性”を少しずつ加えていくことがポイントです。
✅ 現在のブランドを客観的に把握する
✅ 院長としての人柄と方針をしっかり発信する
✅ 病院の強み・特色を明文化して差別化する
✅ ビジュアルや接遇を通して統一感を出す
✅ スタッフや地域との連携で、ブランドの輪を広げていく
ブランドは、“伝え方”と“日々の積み重ね”によって強化されていきます。
新しい病院の魅力をしっかり伝え、地域から愛される動物病院を目指していきましょう。
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