コラム

経営者としての資金管理の基本
~動物病院を安定経営へ導くお金の見える化~
動物病院を譲り受けて経営者となった獣医師にとって、避けて通れないのが「お金の管理」です。
これまで診療に専念してきた勤務医時代とは異なり、経営者は「収入を確保し、支出を管理し、未来に備える」責任を担うことになります。
どれだけ診療技術が高くても、資金繰りが回らなければ病院の運営は継続できません。
この記事では、動物病院の経営者として押さえておきたい資金管理の基本をわかりやすく解説します。
1. なぜ「資金管理」が経営において重要なのか?
動物病院の運営には、毎月の家賃・人件費・仕入れ・税金など、さまざまな支出が継続的に発生します。
どれだけ売上が上がっていても、「手元に使えるお金(キャッシュ)」がなければ、運転資金が不足して立ち行かなくなるリスクがあります。
✅ 黒字倒産(利益は出ているのに資金が足りず経営破綻)
✅ 思わぬ設備トラブルで修繕費が必要に
✅ 繁忙期と閑散期の収入の波による資金ショート
➡ 資金繰りは、病院経営の“命綱”です。現金の流れを常に把握しておく必要があります。
2. 日々の資金を「見える化」する
資金管理の第一歩は、「お金の流れを把握すること」です。
収入と支出を正確に把握し、月単位・年単位でお金の動きを見える化しましょう。
✅ チェックすべき基本項目
- 月ごとの売上合計・診療科目別売上
- 人件費(給与・社会保険)
- 家賃・光熱費・仕入れ費・医薬品コスト
- ローン返済・リース料
- 自己報酬や生活費の支出
- 税金や社会保険料の納付予定
➡ 毎月のキャッシュフロー(入ってくるお金・出ていくお金)を管理し、赤字月が出ないよう先手を打つことが大切です。
3. 資金繰り表の活用
資金管理を習慣化するには、「資金繰り表」を活用すると便利です。
1ヶ月~1年単位で、手元資金の増減をシミュレーションし、将来の資金不足を予防できます。
✅ 資金繰り表でできること
- 今月・来月・3か月後にいくら現金が残るかが分かる
- 設備投資・賞与・税金支払いなどの大きな支出の見通しを立てられる
- 売上目標や利益率の改善につながる
➡ “見える化”された数字は、経営判断の重要な材料となります。
4. 固定費と変動費のバランスを理解する
病院の支出には、毎月一定額かかる「固定費」と、診療内容に応じて変動する「変動費」があります。
これらを正確に把握しておくことで、経営判断がしやすくなります。
✅ 固定費の例
- 家賃
- 人件費(正社員の給与など)
- リース料・保険料
✅ 変動費の例
- 医薬品・フードの仕入れ
- 消耗品費
- 外注費(検査など)
➡ 売上が変動しても固定費は毎月発生します。手元資金で“3か月分の固定費”を確保しておくと安心です。
5. 設備投資・大きな支出は慎重に判断
開業後まもなく、内装や医療機器の刷新を検討したくなることもありますが、収支のバランスを見ながらタイミングを判断することが重要です。
✅ 設備投資の判断ポイント
- 今の資金状況で余剰資金があるか?
- 投資によって売上が増える見込みがあるか?
- 資金繰りに無理がないか?(融資の返済含む)
➡ “必要な投資”と“欲しい設備”を分けて考える視点が重要です。
6. 会計ソフトや専門家を活用する
資金管理をスムーズに進めるには、クラウド会計ソフトの導入や、専門家(税理士・経営コンサル)の活用がおすすめです。
✅ 会計サポートのメリット
- 月次決算で資金状況をリアルタイムに把握できる
- 税務処理・節税対策をアドバイスしてもらえる
- 経営改善や資金調達の相談もできる
➡ 数字に強いパートナーを持つことで、不安なく経営に集中できます。
7. まとめ
経営者にとって、資金管理は診療スキルと同じくらい重要な“経営スキル”です。
日々のお金の流れを把握し、将来のために備えることで、病院経営の安定と成長を実現できます。
✅ 売上と支出を月ごとに「見える化」する
✅ 固定費・変動費のバランスを意識して資金繰りを整える
✅ 設備投資は資金余力と収益性を見ながら判断する
✅ 会計ソフトや専門家を活用して、正確な数字で判断する
数字に強い経営者になることで、「安心して経営できる病院」「将来を見据えた投資ができる病院」へと近づいていきましょう。
LEAP Advisory Services(LEAPAS)
動物病院の経営者育成と資金計画のサポートを通じて、安定した運営を後押しします。
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